ペルシャ人は真珠を「光の子」と呼び、神々の涙だと信じていました。中国では、月が真珠に輝く力を与えていると信じていました。古来、真珠は謎に包まれ、皇帝、ツァーリ、マハラジャ、女王が切望してきました。古代ギリシャ人は彫像や寺院を真珠で飾り、裕福なローマの女性たちは夢の中にいるようにと夜に真珠を身につけていました。しかし、おそらく歴史上最も真珠を愛した人物は、処女王ことイングランドのエリザベス1世でしょう。真珠は純潔の象徴であり、彼女は日常的に7連の真珠を身につけ、中には膝まで届くものもありました。彼女は真珠をちりばめたドレスを3,000着以上、真珠をあしらったかつらを80個、多重ブレスレットや宝石で縁取られた扇を所有していました。

世界中の真珠需要に応えることは、しばしば困難を伴います。ローマ時代には、真珠の養殖場はほぼ枯渇するほど乱獲され、需要を抑制するための法律が制定されました。14世紀から16世紀にかけては、真珠を購入するために大量の金が国外に流出し、深刻な貿易不均衡が生じるのを防ぐため、イギリス、フランス、ドイツなどの国々でも同様の法律が制定されました。1900年代初頭には、乱獲、工業化、そして環境汚染が、天然の良質な真珠の存在そのものを脅かしました。麺屋の息子である御木本幸吉がいなければ、真珠は完全に消滅していたかもしれません。彼は他の二人の研究を基に、真珠の手作業による種付け、つまり養殖の秘密を解き明かしました。

オーストラリアの真珠養殖は、1900年代半ば、北西海岸沖で真珠母貝を採取していたことから、つつましい始まりを迎えました。真珠ボタンの製造に使われていたこの産業は、第二次世界大戦でプラスチックが発明され、代替品が容易に入手できるようになったため、短命に終わりました。しかし、ある進取の気性に富んだ日本人グループが、人里離れた未開の地ブルームに生息する特大のカキに可能性を見出しました。地元の真珠養殖業者一家と共に、彼らは養殖技術を導入し、この州初の商業用真珠養殖場を設立しました。1960年代、大きく美しく輝く真珠を市場に投入した彼らは、オーストラリアを希少な南洋白蝶真珠の最大の生産国へと押し上げました。